賃貸で2年の契約期間が多い理由は?更新と途中解約を解説

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賃貸で2年の契約期間が多い理由は?更新と途中解約を解説

賃貸物件を借りるときには、借主と貸主を保護するために契約期間が設けられます。
ライフスタイルの変化で、契約を延長したかったり早めに退去したかったりできるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、賃貸で2年契約が多い理由をお伝えしたうえで、更新と途中解約する方法を解説します。

賃貸借契約の種類と2年の契約期間が多い理由

賃貸借契約の種類と2年の契約期間が多い理由

賃貸借契約では、貸主の都合に合わせて契約期間が定められ、重要事項説明書に記載されます。
アパートやマンションなどの集合住宅の物件では、法律で定められているわけではないものの、1〜2年で設定されるケースが多いです。

賃貸借契約の種類

賃貸借契約には、普通借家契約と定期借家契約の2種類があります。
普通借家契約は、多くの物件で採用されている契約方法であり、ほとんどが2年間で設定されます。
ただし、物件の種類によっては、大家さんや不動産会社の都合で1〜3年に設定されているケースもありますので、重要事項説明を受けるときに確認しておきましょう。
契約満了時には、借主が希望すれば契約更新が可能であり、大家さんや不動産会社が更新を拒否するには正当な理由が求められます。
一方、定期借家契約は原則として契約更新ができない契約方法で、1〜3年など物件によって期間はさまざまです。
契約満了時には速やかに退去しなければならず、どうしても住み続けたい場合は、大家さんや不動産会社と交渉をして再契約が必要です。
ほとんどの賃貸物件は、できるだけ空き家率を減らすために同じ人に長く住んでもらいたいため、普通借家契約が選ばれますが、大型修繕や取り壊しを検討しているケースでは定期借家契約が選ばれます。

2年の契約期間が多い理由

賃貸借契約で2年間が多い理由は、短期間の契約が大家さんに不利になる点と、3年以上の契約では不都合が生じやすい点が挙げられます。
まず、1年以内の賃貸借契約は借地借家法上「期間の定めがない賃貸借」とみなされ、解約に関して制限が生じるため、大家さんや不動産会社に不利になりやすいです。
大家さんや不動産会社が不利な契約を結ばないように、1年以上を設定するケースが多く、1年未満に設定しているケースはほとんどありません。
次に、契約期間を3年に設定してしまうと、学生や社会人のライフスタイルに合わず、途中解約するケースが多発しやすくなります。
一般的な大学は4年間、短期大学と大学院は2年間であったり、社会人は転勤が短くて2年周期であるなどの背景から、2年単位で設定した方が多くの人に好都合とされています。
入居者にとっても3年契約の物件は、途中解約を前提とした契約を結ばなければならなかったり、中途半端に延長しなければならなかったりするなど、手続きが負担になりやすいです。
大家さんや不動産会社が特別な理由で定期借家契約を選択しない限り、2年間の普通借家契約を選ぶことが一般的です。

普通借家契約を更新するときの手続きと更新料の必要性

普通借家契約を更新するときの手続きと更新料の必要性

普通借家契約には、自動更新の契約と自動更新ではない契約があります。

自動更新の契約

自動更新の場合、契約満了と同時に自動的に更新されるため、手続きなしで今の賃貸物件に住み続けられます。
ただし、契約満了とともに解約を希望する場合は、あらかじめ事前に申告が必要です。
申告期限は1〜3か月以内に設定されることが多いですが、早いところでは半年前までとなることもあります。
重要事項説明書に記載されているため、退去を考えているのであれば申告期限を確認し、期限内に大家さんまたは不動産会社に連絡してください。
書面を見てもわからない場合は、担当者に問い合わせれば教えてもらえます。

自動更新ではない契約

自動更新ではない場合、一般的には契約満了の1〜3か月前までに大家さんまたは不動産会社から連絡があり、更新を希望するかどうかを問われます。
引き続き住み続けたい場合は契約手続き、退去する場合は解約手続きが必要です。
契約手続きは、大家さんまたは不動産会社から通知される書類を読み、期日内に署名・押印をして返送するだけで完了です。
この際、家賃が値上がりしたり契約条件が変更されたりすることや、火災保険・損害保険の更新や再加入手続きが必要になるケースもあるため、詳細まで確認してください。
解約の申し出に関しては、自動更新と同様に重要事項説明書に設定されている申告期限を必ずチェックしておきましょう。
大家さんや不動産会社からの通知よりも前に伝えなければ解約手続きが間に合わず、1か月分多く賃料を支払わなければならない可能性があるからです。

物件の更新料

物件の更新料に関しては、地域や物件の種類によってさまざまです。
更新料がかからない物件もありますが、更新料がかかる物件の相場は、家賃の半月〜1か月ほどとなります。
また、物件の所在地域によっても更新料の相場は異なります。
国土交通省の民間賃貸住宅に係る実態調査の結果では、徴収割合が高いのは神奈川県(90.1%)や千葉県(82.9%)ですが、大阪府や兵庫県は0%です。
更新料の平均金額は、東京都と千葉県で1ヶ月分、京都府では1.4か月分です。
具体的な料金については、重要事項説明書に記載されているため、あらかじめ確認しておくことで負担が軽減されるでしょう。

賃貸の契約期間中の途中解約はできるのか

賃貸の契約期間中の途中解約はできるのか

結論からお伝えすると、賃貸契約期間中であっても、仕事や家庭の都合で途中解約は可能です。
基本的に、借主都合の途中解約では、違約金や解約金が発生しないケースが多く、普通借家契約で2年契約だったとしても、絶対に2年間住まなければならないという条件はありません。
そのため、契約時に半年〜1年ほどしか住まないとわかっているからといって、短期契約できる賃貸物件に絞って探す必要はありません。
ただし、重要事項説明書には解約の予告期間が設けられているため、解約を希望する場合は期間内に大家さんや不動産会社に退去する旨を伝えるようにしてください。

解約の予告期間

一般的な物件は予告期間を1ヶ月前と設定しているケースが多いですが、人気物件は2か月前、オフィスや事業用物件は3〜6か月前に設定していることもあります。
電話での連絡でも良いですが、「いつ言ったか」「言った言ってない」とトラブルになる可能性があるため、FAXやメールなど記録を残せる形で連絡することをお勧めします。
基本的には違約金は発生しませんが、重要事項説明書に特約が記載されている場合は、そちらが優先されるため、追加請求があるかもしれません。

解約手続き

解約手続きは、まず大家さんまたは不動産会社に解約希望の連絡をし、そのあと退去届を提出しましょう。
退去日に物件の状態確認と鍵の受け渡しをおこない、手続きは完了です。
退去直前に連絡をしても、大家さんや不動産会社は次の入居者を募集するのに時間がかかります。
そのため、余裕を持って次の入居者を見つけられるよう、設定された予告期間は遵守してください。
予告期間を過ぎると、超過した分の家賃を請求されたり、特例として違約金が発生したりする可能性があります。
また、物件の状態が悪かったり、借りていた鍵を紛失したり場合は、重要事項説明書の記載内容に応じて追加料金が発生することがあります。

まとめ

賃貸借契約では、日本社会のライフスタイルにマッチした2年間の契約期間を設けているケースが多いです。
普通借家契約の場合は、借主が希望する限りは正当な理由がない限り住み続けられますが、定期借家契約の場合は契約満了とともに退去しなければなりません。
契約期間を満たしていなくても予告期間を満たせば、借主都合で途中解約できるため、重要事項説明書をよく読んで、大家さんや不動産会社に連絡しましょう。


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