中古マンションでも住宅ローンを組める?通りにくい物件の特徴も解説

中古マンションでも住宅ローンを組める?通りにくい物件の特徴も解説

中古マンションは、新築マンションより低価格であるものの、購入価格は数千万円単位にのぼることが一般的です。
そのため、住宅ローンを利用して中古マンションを購入したいと考える方が多いでしょう。
今回は、中古マンション購入時にも住宅ローンを組めるのかどうか、そして審査に通りにくい中古マンションの特徴などを解説します。

中古マンション購入時にも住宅ローンを組めるのか

中古マンション購入時にも住宅ローンを組めるのか

結論からいえば、築年数が古い中古マンションであっても、新築マンションと同様に住宅ローンを組むことができます。
金利が高くなることもなく、借り入れ条件が不利になる心配もありません。
購入前には、マンションの環境や管理状況を確認しておくと、資産価値の変動リスクを抑えやすいです。
ただし、中古マンションの購入時にはリフォームやリノベーション、さらに手付金などの諸費用もかかるため、これらを住宅ローンで支払えるかどうかを確認しておきましょう。
また、物件によっては追加費用が高額になるケースも考えられるため、金融機関に見積もりを提示し、総額の融資額に組み込めるかどうかを確認しておくと安心です。

リフォームにかかる費用も含めて住宅ローンを組める場合がある

中古マンションの購入後に、お風呂やトイレなどの水回りをリフォームしたり、間取りを変更するリノベーションを検討したりする方は多いです。
リフォームやリノベーションにかかる費用は数百万円~数千万円に及ぶケースもあり、工事費用の全額を現金で捻出するのは容易ではありません。
たとえば、水回りの配管や電気配線の老朽化も十分調べ、リフォーム時の追加工事リスクを回避しましょう。
この場合、中古マンションの購入にあわせてリフォームやリノベーションをおこなうと、購入費用と工事費用を合算して住宅ローンを組める可能性があります。
購入直後にリフォームやリノベーションを計画している場合は、工事費用を住宅ローンに合算できるかどうかを金融機関に相談しましょう。

その他の諸費用も含めて住宅ローンを組める場合がある

中古マンションの購入時には、仲介手数料や住宅ローンの事務手数料、住宅ローン保証料、団体信用生命保険料などの諸費用がかかります。
諸費用の目安は物件価格の5%~10%とされており、物件価格が4,000万円の場合は200万円~400万円ほど必要です。
このように高額な諸費用がネックになり、中古マンションの購入をためらう方もいるかもしれません。
修繕積立金の残高不足などが常に発生しないか、管理組合から最新情報を入手しておくことが大切です。
しかし、金融機関によっては諸費用も含めて借り入れられる場合があります。
利用する金融機関ごとに規約が異なるため、諸費用も含めて借り入れたい場合は、あらかじめ問い合わせておきましょう。

手付金の借り入れはできない

中古マンションの売買契約では、買主が売主に対して手付金を支払うことが一般的です。
手付金を支払うタイミングは、住宅ローンの借り入れよりも前の売買契約締結時になるため、手付金を住宅ローンに含めることはできません。
手付金の相場は購入価格の5%~10%であり、たとえば4,000万円の場合は200万円~400万円を現金または銀行振込で支払う必要があります。
支払った後に買主都合で購入をキャンセルした場合、手付金は返ってこない点にも注意が必要です。
手付金を早期に用意できない場合は、購入計画を見直して資金確保の手段を再検討する必要があります。

中古マンション購入時の住宅ローンで制限が付くケース

中古マンション購入時の住宅ローンで制限が付くケース

ここまでにお伝えしたとおり、中古マンションの購入でも、原則として住宅ローンを組むことは十分に可能です。
ただし、物件の状態によってはいくつかの制限が付く場合があります。
具体的なケースと理由を見ていきましょう。
築年数だけでなく、共有部分の劣化状況や良否もローン審査に影響する場合がある点に留意しましょう。

住宅ローンの制限①返済期間

一般的なマンションは鉄骨鉄筋コンクリート造で、法律で定められた法定耐用年数は47年です。
住宅ローンの返済期間としては35年がよく利用されますが、一部の金融機関は法定耐用年数の残り年数を超えての返済期間設定を認めていないことがあります。
たとえば築25年の中古マンションであれば、47年から25年を差し引いて残り22年が最長の返済期間となる可能性があります。
返済期間が短くなると、毎月の返済負担が大幅に増えるだけでなく、一層家計の見直しも欠かせません。

住宅ローンの制限②借入金額

住宅ローンを利用できたとしても、借入金額に制限が付き、希望どおりの融資を受けられない場合があります。
これは、中古マンションの担保価値が新築マンションよりも低く見られることがあるためです。
住宅ローンの返済が滞った場合、金融機関は担保としての不動産を差し押さえて競売にかけることで融資額を回収します。
しかし、担保価値が低い物件では、競売による売却益で住宅ローン残債を十分にまかなえない可能性があり、金融機関にとってリスクが高くなります。
その結果、借入金額に制限を設けるケースがあるのです。
借入額が希望より下がる場合は、親族援助や頭金の増額など多様な対策を十分検討することが得策です。

住宅ローン審査に通りにくい中古マンションの特徴

住宅ローン審査に通りにくい中古マンションの特徴

住宅ローンを申し込むと、物件が中古か新築かに関わらず、金融機関による審査がおこなわれます。
申込者の年収や勤続年数といった要素に加え、中古マンションの場合は物件の状態が審査項目に含まれることも多いです。
その結果、住宅ローンの融資が認められないケースも考えられるため、審査に通りにくい中古マンションの特徴を把握しておきましょう。
物件の修繕履歴等を揃えておけば、金融機関に健全性を示すことで、審査で有利になる可能性があります。

審査に通りにくい中古マンションの特徴①旧耐震基準の物件

1981年5月31日以前に建築確認された中古マンションは、現行の新耐震基準ではなく旧耐震基準で建築されている可能性があります。
旧耐震基準では、震度6強のような大きな地震を想定していないため、新耐震基準の物件と比較すると耐震性能が低いとみなされがちです。
その結果、金融機関によっては担保価値を低く見積もられる可能性があり、審査に通りにくくなります。
旧耐震基準でも耐震診断を受け、補強工事等がおこなわれている場合は、担保評価が高まるケースもあります。

審査に通りにくい中古マンションの特徴②再建築不可の物件

再建築不可物件とは、建物を解体して更地にすると建築基準法の制限を受け、新たに建物を建てられない物件のことです。
現在の建物を使う分には問題ありませんが、老朽化などで取り壊した場合、新築ができません。
このため、再建築不可の物件は担保価値が低いと判断されやすく、審査に通りにくい点には十分注意が必要です。
購入前には再建築不可の背景を確認し、将来に増改築等の制限がどの程度あるか見極める必要があります。

審査に通りにくい中古マンションの特徴③借地権付きの物件

借地権付き物件とは、地主に地代を支払いながら借りた土地の上に建てられたマンションです。
自分の土地ではないため、一般的に担保価値が低く見られる傾向があります。
さらに、住宅ローンを申し込む際には地主の許可が必要になることも多く、手続きが煩雑になりやすい点も含めて、融資審査では不利になる場合があります。
地主との更新契約内容等を把握していないと、将来の管理面等で予想外のリスクを招く可能性があります。

まとめ

中古マンションを購入する場合でも、新築マンションと同じように住宅ローンを組める可能性は高いです。
しかし、物件の築年数や状態によっては、返済期間や借入金額に制限がかかったり、審査に通りづらかったりすることもあります。
そのため、耐震基準や担保価値にかかわる要素もしっかり確認することが重要です。
中古マンションを購入する際は、築年数や耐震基準だけでなく、管理状況や修繕履歴なども含めて総合的に判断すると、より安心してマイホームを手に入れられるでしょう。